Windows7が2020年1月14日でサポート終了になりました。

 新たにパソコンを買おうと思った時にどういう物を買ったらいいのか基準がよく分からないというお話もチラホラと聞きます。

 改めて、なるべく損しないPCの選び方をご紹介します。

 ポイントは3点、「CPU」「メモリ」「ストレージ」です。

 まず今回はCPUについて書きます。メモリ、ストレージについてはまた回を改めて。

CPU

 中央演算処理装置(Central Processing Unit)。ザックリと言うとパソコンの脳ミソ・あるいは心臓です。

 なるべく新しめの世代を選びましょう。CPUは毎年新製品(新世代)が発売されます。2020年1月現在では、Intel(インテル)のCPUですと第10世代Core iシリーズが最新(2019年秋発売)です。

 なお、旧世代も併売されています。最新にこだわる必要がなければ旧世代でもかまいませんが、最低でも2世代前くらいまでのCPUが望ましいでしょう。(第10世代が最新の今でしたら2世代前だと第8世代です)

CPUの世代の見分け方について

 インテルCore iシリーズの型番の4桁の数字の一番左の1桁が世代を表します(第9世代まで)。第10世代は5桁の数字の左から2桁です。

 型番の例を示します。

 ④の4桁の数字の一番左の部分⑤が世代を表しているので、この型番のCPUなら第7世代ということです。

 世代が新しければ新しいほど高性能(処理能力が高い・処理速度が速い)な傾向はありますが、一概には言えません。

 例えば、最新のCore i3の性能が数世代前のCore i7よりも低いことはあり得ます。

 それらの性能差を客観的に把握するには後述するCPUスコアを参考にすると良いです。

 なお、古い世代の高性能CPUと新しい世代の低性能CPUで同程度のCPUスコアの場合、値段に大幅な違いが無い場合は新しい世代のものを選ぶのが得策です。世代が新しいほど技術的に新しいので、古い世代を使うよりは新しい世代を使った方が長く使えると思ってください。

 ただ、2~3世代程度でしたらそれほど神経質に最新にこだわる必要も無いでしょう。同程度のCPUスコアでも旧世代なら価格が安いこともありますのでコストを抑えたい場合は旧世代を選ぶのもありです。

CPUスコアと具体例

 Core iシリーズは、Core i3, i5, i7, i9がラインナップされています。シリーズ中、i3が最も低価格・低処理速度、i5, i7となるにつれ価格と処理速度は上がり、i9が最高峰です。

 CPUの判断基準を具体的な数値で知りたい場合は「CPUスコア」を参考にしましょう。

https://www.cpubenchmark.net/

でCPU型番を検索すると見られるスコアです。

 例として、価格.comでの人気売れ筋ランキング1位(2020年1月5日調べ)のPCを見てみましょう。

画像出典:kakaku.com

ThinkPad E595 価格.com限定 税込¥54,890

  • 画面サイズ:15.6インチ  フルHD (1920 x 1080)
  • CPU:AMD Ryzen 5 3500U/2.1GHz/4コア 
  • CPUスコア:7825 
  • ストレージ容量:M.2 SSD:256GB 
  • メモリ容量:8GB 
  • OS:Windows 10 Home 64bit
  • Microsoft Officeなし

 CPUのメーカーがインテルではなく、AMDです。ここまでインテルの話をしてきたのに突然別メーカーが出てきて、「今までの話はなんだったの?」と混乱するかもしれませんが、AMDについては後述しますのでひとまず読み進めてください。

 CPUスコアが7825ですね。この数字がどの程度の実力なのか、ベンチマークサイトで見た結果を図示します。(サイトでは日々値が更新されますので、図に示す値が7784となり異なる数値ですが、だいたいの値でみてください。)

 Ryzen5 3500Uは、第6世代Core i7と第3世代Core i7の間くらいです。・・・と言われてもピンと来ませんね。

 別の具体例を挙げます。教室で使っている比較的新しめのパソコンを示します。


Vostro3268iMac 5K Late 2015iMac 5K Early 2019
CPUIntel Core i5 7400 3.0GHzIntel Core i5 6500 3.2GHzIntel Core i5 8500 3.0GHz
CPUスコア7,2367,25111,817

 Vostro3268は第7世代Core i5ですので中堅の性能。今現在も快適に動作します。

 Ryzen5 3500Uは、第6~7世代のCore i5よりもちょっといいくらいですね。教室でまだまだ快適に使えているものよりも少しいいくらいですから、何の支障もなく使えそうということが伺えます。

 さて、Ryzenの場合も、型番の4桁の数字の一番左が世代です。Ryzen5 3500Uなら第3世代ということになります。Ryzenは2019年発売の第3世代が最新世代ですので、最新世代のCPUということがわかります。

 これが5万円台半ばで買えるとなると、総合的に判断してかなりお買い得、人気売れ筋ランキング1位ということもうなづけます。

 なお、AMDに関してはザックリと、

Ryzen Threadripper またはRyzen 9 Intel Corei9 相当
Ryzen 7 Intel Corei7 相当
Ryzen 5 Intel Core i5 相当
Ryzen 3 Intel Core i3 相当

との認識で良いと思います。

 ではもう一つの例、先日生徒さんに「これいいですよ」とお勧めしたパソコンです。

画像出典:kakaku.com

Inspiron 14 5000 プレミアム  税込+送料込¥81,822

  • 画面サイズ:14インチ フルHD (1920×1080)
  • CPU:Core i5 10210U(Comet Lake)/1.6GHz/4コア
  • CPUスコア:8521
  • ストレージ容量:M.2 SSD:256GB
  • メモリ容量:8GB
  • 重量:1.42 kg
  • OS:Windows 10 Home 64bit
  • Microsoft Office Personal 2019

 Officeはついていた方がいい、そこそこ軽い方がいい、という条件のもとでそこそこの性能でなるべく安く、と絞り込みました。

 CPUスコアが約8500でOffice付きかつ1.42kgで8万円ちょっと。お買い得です。

 メモリも8GB、ストレージはSSDですから(メモリとストレージについては回を改めて書く予定)、かなり快適に動作するのではないかと推測しています。

 さっそく購入されたので、届いたあかつきには使用感をお聞きするのが楽しみです。

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