テレワーク、オンラインミーティングなど、ネット回線の速度が気になることもあるかと思います。
例えば、ビデオ通話で映像がカクカクするとか、映像が固まる、という症状が頻繁に発生するようなら回線速度の改善を検討してみてもよいでしょう。
回線速度の計測
まずは速度の測定をしてみましょう。
Googleで「スピードテスト」または「speedtest」を検索します。
「速度テストを実行」ボタンを押します。
計測が始まりますので、待ちます。
すると、下図のように測定結果が表示されます。
測定結果は測定するタイミングによってバラツキがあります。
それは、回線の混み具合に左右されるからです。
複数回連続して測定して、だいたいの目安を確認しましょう。
実際、上記の結果は3〜4回連続して測定して一番良かった結果です。
最も低い結果では下り(ダウンロード)60Mbpsくらいでした。
平均して下り100Mbps以上なら、ネット速度で不便を感じることはあまり無いでしょう。
速ければ速いほど快適であることはあります。
ファイルサイズの大きなもののダウンロードが短時間で済みます。
ちなみに上図では上り(アップロード)が400Mbps台出ています。
一般にネットを利用する人は、情報を得ている(閲覧)側・つまりダウンロード・下りが大半です。
上りよりも下りが混み合っているため、下りのスピードの方が上りよりも遅めに出ていると推測されます。一般的にこのような傾向があります。
遅い基準は?
下りで一桁Mbpsだと明らかに遅いです。
二桁Mbpsでも、20Mbps以下の場合は動画閲覧などで不自由を感じることもあるかもしれません。
「遅い」場合、まずは遅さの原因がどこにあるかを突き止める必要があります。
原因の切り分け
ここまでの測定は、下図に示す全体の速度です。
遅い原因がどこにあるのかを切り分けるには、下図で色分けしているブロックごとに確認が必要です。
ただし、この記事では下図の「水色」「薄緑」「紫」「ピンク」の部分のみに焦点を当てます。
図で示している通り、パソコンなどの各端末はWi-Fiでネット接続していることを想定し、有線LANケーブルでの接続については割愛します。
シンプルに説明すると、「各ブロックのどこかひとつが遅い規格だと、最終的な端末(パソコン or スマホ)で遅い通信しかできない」です。
では、まずWi-Fiおよび端末の部分から見ていきましょう。
無線LAN(Wi-Fi)の規格
図1のうち、関係するのは薄緑、紫、ピンクのブロックです。
Wi-Fiの規格によって、速度が違います。
現在の普及レベルでは次の2つです。
●IEEE802.11n(Wi-Fi4)
今となっては古めの規格で、実行速度は数十Mbps(経験値)です。
最大通信速度(理論値)は600Mbps。
●IEEE802.11ac(Wi-Fi5)
実行速度で400Mbps程度は出ます(経験値)。測定例で上図に示した物がそれです。
理論値での最大通信速度は6.9Gbpsだそうです。
最新の規格
●IEEE802.11ax(Wi-Fi6)
この規格の機器を所有していないので、実行速度はわかりません。
理論値での最大通信速度は9.6Gbpsだそうです。
もっと古い規格・末尾がb, a, gというのがありますが、割愛します。nよりも遅いので今となっては化石(と言っては言い過ぎですが・・・)
端末側・ルーター側
異なる企画が混在している場合、速度は遅い方の規格の速度しか出ません。
例えば、ルーターをWi-Fi6に変えたとしても、端末がWi-Fi4だったらWi-Fi4の速度です。
その逆もしかり。
Wi-Fi規格の確認方法
端末(パソコン・スマホ・タブレット)側のWi-Fiの規格
まずは端末の規格を確認しましょう。(図1の紫とピンクのブロックに相当)
Windows
[設定]→[ネットワークとインターネット]→[Wi-Fi]→[ハードウェアのプロパティ]
プロトコルのところを確認すると、使用している規格がわかります。
Mac
optionキーを押しながら、メニューバー右上のWi-Fiマークをクリック。
PHYモードのところを確認すると、使用している規格がわかります。
スマホ・タブレットは割愛します。
ルーター側のWi-Fiの規格
(図1の薄緑色のブロックに相当する部分)
取説などでご確認ください。
または、型番をネットで検索するとその製品のページなり通販サイトなりで仕様を確認できると思いますので、ご確認ください。
Wi-Fiの改善
ルーターがWi-Fi4(IEEE802.11n)以前でしたら、最新規格のルーターへの買い替えをご検討ください。
端末がWi-Fi4(IEEE802.11n)以前でしたら、最新規格のWi-Fiに対応した端末への買い換えをご検討ください。
パソコンの場合は、USB接続できる最新規格のWi-Fi子機をつなぐことも可能ですが、古い規格のWi-Fiにしか対応していないパソコンとなるとパソコン自体もかなり古いはずですので、可能であれば最新機種への買い替えをおすすめします。
おおもとの回線
Wi-Fi規格は最新なのに、スピードテストでスピードが出ない・・・となると、おおもとの回線自体(図1での水色のブロックに相当)が遅いことが疑われます。
光モデムまたはルーターにLANケーブルで直接パソコンをつないでスピードテストをしてみましょう。
「遅い」事実の確認にしかならないかもしれませんが、おおもとの回線が遅いことに確信が持てることになります。
集合住宅の場合
回線が光だとしても、集合住宅の場合は建物に入ってきてから各戸に分配されます。
一つの回線を複数の世帯で共有する状態です。
集合住宅全体で混み合う時間帯などは、どうしても遅くなってしまうでしょう。
これを改善するには、集合住宅の管理者に掛け合って回線速度の速いものに切り替えてもらうという方法が一つですが、難しいかもしれません。
もうひとつの方法は、自腹で個別に引き込める回線を契約してしまうことです。自腹になりますけどね・・・。
IPv6への対応
IPv4にしか対応していないプロバイダのプランを現時点で使用の場合、IPv6にも対応したプロバイダのプランに変えると劇的な速度アップが見込めます。
これに関しては、本記事執筆の約1年半前に当教室自体の回線で行いました。(その様子については「ネット速度アップの話」をご参照ください。)
改善前は20Mbps以下だったものが、改善後100~200Mbpsは出るようになりました。
集合住宅の場合でも、プロバイダを自分で選べることが可能な場合、現在のプランがIPv6に対応かどうかを確認してみるとよいでしょう。
対応していない場合は、IPv6に変更できる伸びしろがあるので速度アップの希望が持てます。
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